上映前の予告編1. シアタールーム3
きかせても いかせても
したいのも わすれた
みおろしてる め めのかず
かさならないままで もとめた
叙事的な嘘
意図した誠
意識の外に白のエチュードは
幕を引かずに ブレヒド
鮮烈な赤が 溶けない
君に出会うためぼくは綴った
より苛烈で残酷な死を
そうさより熱く
そしてより強く
故により寒い
冬のような痛みをも
体験し創る模倣して悼む
ぼくらのために君たちが必要さ 今
きかせても いかせても
したいのも わすれた
みおろしてる め めのかず
かさならないままで もとめた
形骸化した 内に行くもの
悦さえあれば命も軽く
なら叶えよう
傲慢なお前たち至高を傷つける
自由を振りかざす蹂躙者に
似合いのト書きを描き下ろした
これこそ求めたシナリオか?
何も言わせずに在る
舞台装置にしないで
君に出会うためぼくは綴った
より苛烈で残酷な詩を
そうさより高く
そしてより苦く
故により淡い
夏のようなゆらめきを
体験し創る模倣して悼む
ぼくらのために君たちが必要さ
今こそ勇気を
もぎ取って
壊せよアーチを
そうさより熱く
そしてより強く
故により寒い
冬のような痛みをも
体験し創る模倣して悼む
灯篭の炎 その先で会おう
デートに最適。ラブロマンス映画2. 月角
群青の夜のような寂しさを
抱えた目をして
誰にもまだ触れさせない
水底に隠した君
ふたりでなら溶かせるよと
錆びかけてる言葉 飲み込んで
子供の頃見た闇空に浮かぶ
三日月が欲しくて
フィルムに焼き付く理想の家に
白く光る太陽になるよ
張り詰めた弦を弾く
宵さえ愛そう
埋まらない1ピースを怖がらないで
君のためにぼくが変われるさ
住み慣れた街を捨て去ってもいい
星屑ごと包んで 灯し合う月角
昼下がりの木漏れ日のよう
真綿色のぬるい掌
凍り付いた指先ごと
陽の光へ連れ出して
欠けていても暗い街を
道しるべに照らせるのかしら
ぬくもりなど知らないまま
青に更けていく朧月
何もないこの場所に似合いの
丸みを帯びた光 慈愛
その愚直に降り注いだ
幸せに こころ 溶かせるものならば
くだらない1ピースをあなたが埋めて
「君のために僕が」と笑って
冷たい家に熱を与えて
星屑など燃やして 捨てて
レディ僕の手を怖がらないで
君の中の宵を愛してる
「また会えたね」と何故か零した
星屑ごと包んで灯し合う月角
懐かしくも寂しい 思い出の邦画3. 凍える夏
暗い足元 良い子はお家へ帰る時間 アナウンス
冷たい家に わたしだけ ひとり
夜明けを待つの
山あいの町 さびれたホワイエ
甘いすすの匂い
昴灯る 明かりは遠い日
映画の中にだけ降る降る白い淡い雪の
切なさが揺らぐ瞳
よく似ている
違う 違う
にじんでく 確かな影
灯篭の火が燃え尽きてしまう
曲がる足と手 良い子はお家へ帰る時間の声
冷たい道 わたしだけ ひとり
はじけた心 夏空に溶けていけ
指先を凍らせていく あの冬ごと
痛い 痛い
にじんでく 愛した日々
灯篭の火が消えてしまう
宵子の鮮烈をを映画にしよう
閉ざされた箱の中で死なないように
ぼくは君の望むともしびだよ
凍える夏のイマ―シブシアター
煙たく渋いミステリー映画4. Dの奔流
法則のない数字の羅列
命の色の淡い捨て駒
無明長夜を越える手綱は
右手の中に鈍く光っている
忘れそうになる記号の羅列
卵の中に閉じ込められた
2689文字の前日譚は
電子の海の果てまで落ちては
読み手のつかない儀典に変わる
真白の箱の底 支配の床
真実はどこに?
薄れかけた思い出が
琥珀に揺れる
序章の生 未完の所為
問いかけは誰に?
ポケベルの着信はない
セブンスターの煙がくゆる
お望みならば最上の記事を
インク切れの万年筆はもう
どこにあるのか思い出せないまま
違う 今の 俺は
名前を奪われた モブ だ
白む視界の中 広がる赤
真実はどこに?
塗りつぶした愛増が 緑に揺れる
嵐の山 朽ちてく花
問いかけは君に
ポケベルの着信はない
真白の箱の底 支配の床
真実はどこから?
歪んでく物語 卵は割れて
創られてる 覗かれてる
知るはずのなかった
脚本家の存在を
ほんとうの役割を
吹きすさんだ冷たい雪
痛みを与えてよ
ここにいるほんとうを
思い出させて
もう一度を望むことが
叶わないのならば
この生を 誰かに 届けて
極彩色の映像美。ほんのりホラー映画5. 桃源郷に眠って
舞い散る白桔梗
わたしの桃源郷
夕暮れ、屋上、カーテンと友達
この世界 醜く群れだす 凡人たち
花壇に咲いてる 彩に眠りたい
王様の願いは一つ 叶わず檻へ
読みかけの本に挟む 栞にネリネのひらを
真白に塗りつぶされ 君は今茜へ
わたしのはばたきをみて
あのこはきれいなめをほそめて
わらってくれた
【無明の肉芽でも】
ふたりではなたばにしよう
うでのないからだでも
だきしめてあげたいから
【お望みを聞かせて】
乾いた心の中に沁み込む
彼女の歌
知らずにいられたらねと
笑う魔女の声
都合のいい描写のト書き
行間の外側へ
見つめるの目の存在を
聴き手のお前らを
62の頁に生きてた
■■■
これは未来の話?胸躍るSF映画6. humorous etude
大抵は幸福で 最低は不幸で
観察下において これはきっと悲劇です
正解は曖昧で 間違いは明快で
不確定要素なら取り除きましょう
確定した現在と 解体された記憶
運命なんてものは定理にはならない
最大の幸福と 最小の不幸を
望むあなたに 交付する処方箋
「夢を見られるお薬です」
きっと囁いたのは天使
実体で経験で
証明を始めよう
〝Failed.〟
これは実験
混合試行
あなた知ってる?
幸福になるデパス
知ってる?
きっとエリクサー
さあ試して
ラットみたいね
これは実験
次のサンプル
あなた知ってる?
幸福になるレシピ
知ってる?
願いを込めて
誰かみさま?
もっと教えてほしいの
開発進行中
現在回想中
実験進行中
原罪は断罪
空想侵攻中
現在回想中
実験進行中
(あー)
一定の安寧と 果てない戦争で
世界はまるで インキュベーターじみている
真っ赤な血液と 真っ青な理想を
攪拌して熱して 作る秘密のレシピ
白い錠剤にお願い
そう妙薬の苦味なら
痺れそうなラベンダー
満たす空想
〝Failed.〟
これは実験
混合試行
あなた知ってる?
幸福になるデパス
知ってる?
きっとエリクサー
さあ試して
ラットみたいね
これは実験
次のサンプル
あなた知ってる?
幸福になるレシピ
知ってる?
願いを込めて
誰かみさま?
もっと教えてほしいの
ああ夢を見せる白い果実
飲み干せばしあわせの後味
スローモーション メフィストが囁く
この絶望が副作用?
実験は失敗か?
狂う容態
そう
これはシナリオ
泣いたシステム
あなた知ってる?
終幕までのプラン
知ってる?
きっとキャラクター
あなた見ている?
今も書いている
これもシナリオ?
私誰なの
あなた知ってる?
幸福になるレシピ
知ってる?
狂う錠剤
私さよなら
だって全部知っちゃったの
映画製作・運営

- 倶楽部長
- 企画/運営/歌唱 椎名かいね
- 倶楽部員
- 音楽 神楽坂ヨシキ
- 倶楽部員
- デザイン/web アジャラカ
- 客演
- 月角 歌唱 音沼ロノエ
- 客演
- Dの奔流 歌唱 咲乃木ロク
- 助演
- humorous etude 作詞 小宵
- 助演
- 秋M3ティザーCM 男役 幡野智宏
- 助演
- 秋M3ティザーCM 研究員役 ひとなつおもい
